外科処置時に注意していることについて
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こんにちは、等々力・深沢・中町にあるソフィア歯科医院の矢島です。
歯科においてインプラント治療や親知らずの抜歯のようにどうしても外科的な治療というものがあります。
今回はその外科処置時に当院が気をつけいることをかいつまんで3点ほど説明いたします。
1.患者様の不安の軽減について
2.清潔と不潔域について
3.診療補助時の難しさについてです。
患者様に十分な説明をし、準備をしたうえで手術当日を迎えますが、外科処置というだけで緊張し、恐怖心が強くなることが多いです。
それゆえ手術の前準備の段階から帰宅されるまでの間、患者さんを不安にさせないように、精神的・肉体的な負担に十分には配慮していく必要があります。
どんな配慮が必要となるのでしょうか?
常に欠かせない配慮事項を6つお伝えします。
①適度に声をかけ、患者さんの不安を取り除く
②脈拍、血圧、血液酸素飽和度などのバイタルサインの変化を見逃さない
③患者さんに不安を抱かせるような行動はしない
④口腔内に変化が生じるときは必ず声をかける
⑤口角炎を予防する
⑥「がまんしていることはないか」の確認をする
です。
顔を覆うためにドクターアシスタントともに患者さんの表情を見ることができません。
それゆえ、患者さんには適度に声かけをし、その反応から小さな変化を見逃さないように注意しなくてはなりません。これはドクターが集中できる手術環境づくりにもつながります。
清潔と不潔域について
外科処置を行うに当たり、基本中の基本なのがインフェクションコントロールというものです。手術において「感染」はもっとも避けなければならない偶発症の一つです。
そのためには清潔域・不潔域という考え方をしっかりと理解しなければなりません。
食事が床に落ちたものは食べづらいですが食器からお皿に落ちたものであれば、また食べようと思いますよね。これが清潔域と不潔域の考え方です。
清潔域にある器具は使用終了まで必ず清潔域にとどめ、不潔域から清潔域に器具が移動することは絶対に避けなくてはなりません。
器具だけではなく、ドクターやアシスタントも、不潔域に移動したり不潔域の器具を触ることは絶対にしてはいけないルールです。
この概念を理解することは治療において基本中の基本です。
最後にアシスタントワークの難しさについて
治療部位はドクター側とアシスト側で見え方が異なります。
当然、立ち位置が違うわけなので見える方向が変わってきます。
手術中の視野の確保はドクターが迅速に手術を進めるために重要です。
上手に視野を確保できないと、手が止まってしまって時間ロスがおきてしまいます。視野を確保する際にはドクターからどのように見えているのかを意識しながら、診療の補助を行います。そ
のため時としてある程度推測でアシストワークをしなければなりません。そのため鉄則のルールというものを把握しておき、それを必ず守ることが大切になってきます。
例えば長軸に沿って器具を引く、置く。目線がそれたタイミングで準備片付けなどのことがあります。
このように何気ない治療においても気をつけるべき内容は山のようにあります。日々、精進です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
《参考文献》
石川知宏 『これでバッチリ! インプラント治療のアシスタントワーク』