歯ぎしりすることって、必要ですか?
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歯科医師は歯科国家資格というものを有しています。
歯科国家資格とは『その国が国民の健康を守ってくださいねという約束』を与えたものといえるのではないでしょうか。
しかしなにをすれば健康を守ったことになるのでしょうか?
その答えは千差万別でそれぞれの個々人の価値観によって定義付けが異なるように感じてきています。
逆にいえば何を持って健康が守られたのかはっきりしにくいということです。
私自身どのような『カタチ』が健康を守るものとなるのか、
『考え』のようなものがありますが、それがどんな状況にも当てはまるのかというと必ずしもそうではないようです。
歯の健康が大切になってきたのは、
歯科医師数が単純に増加したことによって啓発が多くなったのは事実だと考えられますが、
平均寿命の延びが歯を残すことが大切になった一因にもなりえます。
長く生きるだけでなく健康寿命を長くすることが大切になったということだと思います。
かつては平均寿命と歯の寿命が近かったのでそんな問題にならなかったようですが、今は違います。
前置きが長くなってしまいましたが、今回のテーマは
その『歯がないという問題』もしくは『噛めない問題』はなにかということをお話し致します。
『噛めない』というのは、『うまく機能していない』(ディスファンクション)という事です。
うまく機能しないと栄養を取ること、発音することや呼吸することなどに問題が発生しますし、
じつはストレスマネジメントもしにくくなります。
歯があることで人は『歯ぎしり』を行いストレスを発散させてマネジメントを行っています。
ストレスはある意味、自分自身への『攻撃』が行われた状態のときに発生します。
その『攻撃』に対し視床下部を中枢としてホルモンの分泌、自律神経の興奮、免疫系の変化が起きます。
人は大脳新皮質の急激な発達によってその本能的な攻撃性が理性的に抑制されるようになりました。
咀嚼器官(噛む器官)は長い進化の過程で動物の本能情動行動と密接に関連しています。
エラ器官から発生して進化した咀嚼器官は、自律的に活動するところがあり、ストレスである『攻撃』が加わると無意識に『歯ぎしり』することになるわけです。
『歯ぎしり』はストレスを発散させてくれる一方、歯周病、顎関節症、知覚過敏や歯のクラック(ヒビ)を誘発させてします諸刃の剣です。
下アゴが後ろに下がっていたりかみ合わせが低くなっている場合など、
顎の位置ずれていると病気が起きやすく危険な状態となります。ココが重要です。
歯科咬合学は予防医学でもあります。
問題が起きたから治療するものでもありますが、
問題にならないように整えるものでもあります。
まさに現代において求められているもので、取り組むべき『価値』なのではないでしょうか?
※余談ではありますがストレスはそこまで悪者なのか?というとそうではないという認識です。
どう捉えるかが大切だと思っています。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
“当院では”歯を守る”重要性を含めて、歯周病治療、根管治療、矯正治療、インプラント治療、被せもの治療と総合的に診査・治療を行っています。
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