院長ブログ

歯ぐきが腫れて痛い! なぜ?

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「感染して炎症がある」とはいうもののいったいそれはどういうことなんだ?

コロナはウィルス感染によって引き起こされる病気です。

世界中で大流行し、人類史でもまれに見る感染者数を記録していますが、実は現在進行形で増え続けていて、はるかに感染者数の多い感染症があります。

それは歯周病です。

 

こんにちは、等々力・深沢・中町にあるソフィア歯科医院の矢島です。

今回はそんな歯周病に関連した、感染と炎症についてお話したいと思います。

 

炎症症状


 

炎症って何でしょうか?

体の一部が腫れたり、赤くなったり、熱を持ったりすることです。

炎症には発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害という5つの症状が発生します。

ぶつけたり、骨折などでも炎症は起きますが、口の中ではそのほとんどが細菌などの感染による炎症です。

外傷と感染、原因が別なのに同じ症状が起きるのはなぜでしょうか?

 

メカニズム

ではその機序について解説します。

たとえば何かしらの原因によってある部分に感染がおきたとします。

細菌によって感染した部分の組織は破壊され、体はその部分を修復、あるいはこれ以上感染が広がらないように働き始めます。

そのためにはまず破壊された部分を分解して、菌を除去する成分を運び込まないといけません。

これを担当するのが免疫細胞です。免疫細胞は血液の中にいるので、できるだけたくさん働いてくれるように、体はその部分の血管を広げ、免疫を呼び込もうとします。

そうするとその部分の血の流れはよくなるので赤みが出て、熱を持ちます。(発熱、熱感)

拡がった血管からは血液のさまざまな成分がしみでて、回りの組織に浮腫ができます。(腫脹)

浮腫が起きると組織は圧迫され、それが痛みとして体は感じます。(疼痛)

この状態は原因が除去されない限り続くので、完全な治癒にはならず、これらが合わさってその部分の機能障害の原因となります。

つまりこの場合原因は細菌感染なので、速やかに感染を収束させることができれば炎症はなくなるのです。

 

歯周病による炎症

では口の中ではどのような感染があるのでしょうか?

歯科で最も関連が高いのは歯周病です。

歯周病は歯の周囲の歯周ポケットという溝から、歯肉などの歯周組織に感染し、それらを破壊します。

初期は歯ぐきが腫れたり、出血するなどの症状が出ますが、やがて歯を支えている顎の骨を溶かしてしまい、支えのなくなった歯が抜け落ちてしまいます。

その間、一切痛みが生じないこともあります。

一度骨が溶けてしまうと、健康な状態に戻すのは非常に困難で、失った組織を再生させる、「再生療法」というとても高度な治療を行ったとしても完全な再生は今の所、困難です。

歯周組織再生療法は「元に戻す」目的ではなく、「歯を失いにくく維持しやすくする」目的で行われるものです。

なので私たちは、歯周病にならないことも大事であるし、ある程度治癒した後に再びそこが悪い状態にならないように維持していくことも同じくらい重要であると考えています。

 

予防の大切さ


歯周ポケットからの感染を防ぐにはどうすればよいのでしょう?

口の中には数百億の細菌がいるといわれており、それらをすべて無くすというのは現実的ではありませんし、そういった浮遊してる菌が感染の原因では実はありません。

唾液の中にも免疫はあり、浮遊してる菌が感染しないように常に見張っているからです。

一番の原因は歯と歯ぐきの周りの汚れなのです。

皆さんは台所のシンクにぬめぬめした汚れがついているのをよく目にすると思います。

とてもとりづらいですよね?油か何かが固まったのかな?と思われるかもしれませんが、実はこれ、残った汚れに付着した細菌なのです。

汚れの中で増殖した細菌が手と手を取り合い強固にこびりついているのです。

歯の周りの汚れも似たような状態と言われています。これをバイオフィルムと呼びます。

それらが除去されなければ、最近は増殖し続け、時間がたつほど歯ブラシで取りづらくなっていきます。

バリアーをつくり、免疫からの攻撃に難なく耐え、やがて歯周組織に感染します。

厄介なバイオフィルムですが、付きたてのころはとても簡単に除去できます。

なので毎日のしっかりとした歯ブラシが大事なのです。

そして、どうしても取り残してしまい、取れづらくなったバイオフィルムをとるためにも、定期的なメンテナンスも重要になってくるのです。

 

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

“当院では”歯を守る”重要性を含めて、歯周病治療、根管治療、矯正治療、インプラント治療、被せもの治療と総合的に診査・治療を行っています。

ご興味いただけた方は、ぜひ、下記の歯周病治療のページ、予防治療ページをご覧ください。

 

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