虫歯治療

虫歯治療とは?

虫歯というのは進行性の感染症であり
・エナメル質が溶けているもの(エナメル質う蝕)
・象牙質まで達しているもの(象牙質う蝕)
・歯髄まで到達しているもの
などありますが、それ自体が虫歯の重症度を表しています。(下記イラスト参照)
歯髄には神経や血管といったものがありますが、そこに虫歯が到達したときに痛みが発生することがあります。

さて虫歯になってしまったら、歯科医院では虫歯という病気をどのように治していくのでしょうか?

虫歯治療には大きく分けて2つの種類があります。
虫歯で空いた穴を封鎖することを「修復」する治療と言います。
イラストのC1とC2レベルのときの治療です。
そして虫歯が大きく歯の頭の部分がかなり崩壊していて、噛める場所がなくなっていて被せものをして補填しなければならない場合の治療を「補綴」する治療を言います。
イラストのC3とC4レベルのときの治療です。

今回はその穴を封鎖する「修復治療」と、かぶせものをする場合の「補綴治療」について当院がどのように取り組んでいるかをご説明いたします。

※被せるというのは固定性の補綴治療のことで、歯を削ることで歯が一回り小さくなった場合は、そのままだともちろん歯として機能しないので、被せもので補うことで機能させることができます。 もし歯自体がなくなってしまった場合は、歯がなくなったところに補綴をしないといけないので、取り外しできる可撤性の補綴装置が必要となりますが、それを入れ歯治療(義歯治療)と言います。

虫歯治療の当院の考え方

残念ながら虫歯になってしまった場合、 まず大切なのはなぜ虫歯になってしまったのかの原因を考えなければなりません。

原因は多くの場合、除菌が不十分であること、シュガーコントロールが十分できていないことなどが挙げられますので、歯磨き指導とシュガーコントロールが出来ているかどうかが治療をする前に大切になってきます。

また、歯ぎしりなど歯に加わる力によっても虫歯が起きやすくなりますので、噛み合わせが良くない場合は、噛み合わせの調整も根本的な治療法として重要です。
当院では歯磨き指導やシュガーコントロールと合わせて噛み合わせのチェックも行っています。

当院の考えとしては、「虫歯を削り取りました=病気を取り除きました」ということになります。
しかし歯は硬い組織ですので、削ったところで自然に削ったところが塞がることはありません。
そこでその中に食べ物が詰まってしまい再び虫歯にならないために、削ったところを修復する必要があります。
修復することは言わば「再び病気になりにくくするための治療」です。もしくは削った穴のせいで食べれないという事がないように『再び修復、補綴して機能できる状態にする治療』で、『新たな病気を引き起こしにくくするための治療』です。
つまりそこには非常に大切な予防的な考えが含まれているのです。

当虫歯で空いた欠損を封鎖する
「修復治療」の大切な7つのポイント

ポイント1 「歯ぐきの状態が良好であるかどうか」

歯ぐきが腫れていては修復処置を行うことは難しいので、まず歯ぐきが健康であることが大切です。

ポイント2 「どのような方法で欠けている箇所を治していくか」

その欠けている範囲が小さい場合は、直接詰める方法と、型を取って詰める方法があります。
両方とも共通して重要になるのは、歯ぐきの状態が良好であることと、いかに歯にしっかり接着させるのかどうかになります。

ポイント3 「どのような材料を使うか」

虫歯がそれほど大きくなく自分の歯を大きく削らなくてよい場合はコンポジットレジンでの修復が最適な治療法になります。
・メリット:大きく削らなくてよい。処置が一回で終わる。欠けても修復しやすい。
・デメリット:用いる材料に制限がある。形態付与するのが比較的難しい治療
ということになります。

もう一つが「インレー」と言われる詰めものによる治療法です。
インレーには銀歯のものとセラミックのものがあります。

~詰めもの<インレー>の治療の場合の4つのポイント~

ポイント4 「綺麗に歯の形を整えること」

欠けている部位の形をきれいに整えなければ技工士さんも綺麗に詰めものを作ることができないので、綺麗に整えることポイントです。

ポイント5 「どのようにしっかり型を取るか」

やはりきれいに型を取れなかった場合、適合が悪くなり隙間の空いた詰め物が出来てしまうので、十分にこだわる必要があります。

ポイント6 「詰め物ができて詰める前に色、形態、噛み合わせをチェック」

詰め物ができて詰める前に色、形態、噛み合わせをチェックしてからしっかり詰めていきます。

ポイント7 「詰めものを着ける接着剤が適切かどうか」



長く再発しにくいかどうかに大きな影響を与えます。
予防的な措置という考えからすると、再発しにくい治療、歯を残すためには大切です。

虫歯が大きく歯をまるごと被せる
「被せもの治療」の大切な10つのポイント

ポイント1 「歯ぐきの状態が健康であるかどうか」

歯周病が治っているか、また根の治療が必要な場合は、しっかり根の治療がされているかどうかをしっかりチェックする必要があります。

ポイント2 「その歯がどこの歯でどのような力が加わっているのかを見ること」

それによって使う材料を変更していかないと、その歯の為に悪い選択となってしまうことにもなりかねません。

ポイント3 「仮歯でテストされているかどうか」

つまり噛んだ後に歯が痛いところがないか、仮歯がすぐ取れるようであれば、取れる原因が必ずありますので、必ず仮歯でテストしておくことが大事です。

ポイント4 「フェルール効果があるかどうか」

これは歯ぐきの上に歯が1.5mm~2mmあることが被せもののための型取りがしやすく、歯を割れにくくするために大切ですのでその点を見ています。

ポイント5 「被せる前に歯の形態が整っているかどうか」

マイクロスコープを用いて拡大視野下において歯の状態をきちんと形作っているかどうかが重要です。

ポイント6 「かぶせる境界を明瞭にしているかどうか」

歯ぐきの周りに糸を巻いて歯から少しだけ歯ぐきを押し広げることで境界をくっきり形づけることができます。

ポイント7 「どのようにしっかり型を取るか」

やはりきれいに型を取れなかった場合、適合が悪くなり隙間の空いた被せものが出来てしまうので、十分にこだわる必要があります。

ポイント8 「形態や色、噛み合わせを考えて治療されているかどうか」

高すぎず低すぎないこと、また色も合っていないと不自然になります。
色を合わせる場合、前歯はとくにホワイトニングなどで自分の自然な色を再現したうえで、そこから色合わせを行っていくことを重要視しています。
(そのため当院では写真撮影をして技工士さんに送るなど行っています)

ポイント9 「被せものについて技工士さんが詳しいかどうか」

セラミックと一口に言っても単純に1種類ではなく、ジルコニア、長石、ニケイ酸リチウムなど様々な種類があり、それぞれ硬さも違えば、それぞれのメリットデメリットがありますので、その材質に合わせた技工ができるかどうかも最終的に治療の質に関わってきます。

ポイント10 「被せものをした後の、メンテナンスの方法をよくわかっているかどうか」

被せものをした後も、細菌の付着の防止方法やかみ合わせによる打撃、歯ぐきの健康管理の方法など治療後のメンテナンスが大切であることも最後にお伝えしたいと思います。

ページトップへ