歯科の予防って何のため?
予防の究極的な目的は「病気にさせないこと」ですが、
その中でも大きく分けて2つの種類があると考えております。
一つは、病気になってしまったところを再発させないこと(Cure~治療~)
一つは、病気になっていないところを病気にさせないこと(Care~メインテナンス~)
です。
Care(メインテナンス)というのは病気にならないように
ケアすることなので分かりやすいと思いますが、
Cure(治療)は、歯科において、病気になってしまったところを除去する治療以外に、
再発させないための治療も含まれるので、「予防」というカテゴリーが一部含まれるわけです。
そして予防の目的である「病気にさせない」ようにするためには、
・細菌のコントロール
・噛んだときに歯に加わる力のコントロール
の2つがカギとなります。(詳しくは後述)
病気になってしまったところを
再発させないために
(Cure~治療~)
毎日使っているもので劣化していかないものは殆どありません。
(人工物で複雑なものほど劣化しやすいと思います)
同様に歯も毎日使って負担がかかっているものですから、
徐々に劣化してしまうことは避けられません。
ですから悪くなっていくスピードを可能な限り遅くすることが「予防」だと言えます。
その方法として、質の高い治療<虫歯治療、根管治療、歯周治療、被せもの治療>が
再発させないようにするためには求められますし、総合的歯科診療が結果を大きく左右すると思います。
よって当院の治療はどの治療においても予防的な要素が含まれているのです。
このように当院では、「トータルから口を守る総合診療=ソフィアクイント」をコンセプトとしています。
(その詳しい内容については各々の診療ページでご紹介していますので診療メニューからご覧ください。)
<ソフィアクイント>
治療が終わりメインテナンスに通っていただいている患者様において、
同じところが再治療になることはほとんどないことは、当院の自慢でもあります。
それほど、始めにメインテナンスのプログラムの一環として十分な診査を行っているからですし
可能なかぎり質の高い治療を心掛けているからだと自負しています。
しかしながら、いくら治療の質を高めたとしても、全く何も手がつけられていない天然歯と比べると、
残念ながら再発リスクは高くなるので、
やはり「何も手をつけていない歯をいかに病気にさせないか」が最も重要なのです。
病気になっていないところを
病気にさせないために
(Care~メインテナンス~)
先ほどお伝えしたように病気になっていない歯を病気にさせないために、
1,細菌のコントロール
2,噛んだときに歯に加わる力のコントロール
この2つがカギとなります。
1,細菌のコントロール
・定期的なチェック
当院では、定期的にレントゲン撮影、歯周病検査を必ず行いますので、自覚がなくても早期発見して解決することができます。
早期発見、早期治療は医療においてとても重要なことです。
・除菌
歯科医院で定期的に歯石除去やPMTCなどプロによるクリーニングによって自分では磨ききれない部分の除菌をしていきます。
・日々のセルフケア
日々のご自身でのケアはとても大切です。
しかし自分でしっかり磨いている“つもり“がほとんどです。
普段磨けていないところを歯科医院でのクリーニングによって除菌することとあわせて、TBI(歯磨き指導)によってご自身の磨く技術を身につけていただきます。
定期的にご来院いただきダブルチェックとクリーニング、そして日々のセルフケアが、
病気にさせないためには欠かせません。
また定期的に当院にご来院いただくことで健康への意識、モチベーションも上がりますし、
お口や歯の健康に対する不安を軽減させることができることもメリットと言えます。
歯を守るうえでもう一つ大切なこと
2,噛んだときに歯に加わる力の
コントロール~
しかし、定期メインテナンスに来ていただいても
「絶対に安心!」というわけではありません。
細菌のコントロールはほとんどクリアすることができますが、
もう一つの「噛んだときに歯に加わる力」の問題があるからです。
歯が割れたり歯に問題が起きるケースは、
リスクの高い噛み合わせや歯に加わる負担が原因であることがほとんどです。
当院において定期メインテナンスにおけるトラブルは、
ほとんどの場合力によって伴う負荷による「歯の破折」となっています。
歯にとって負担のかかる方向から負担の多い力が加わることで、
歯は悪くなっていきやすいです。
そうならないように矯正または被せもの治療で噛み合わせを整えたり、
マウスピース等で可能な限り力のコントロールを行い、問題を起きづらくするようにしています。
予防することのメリット
予防、定期メインテナンスによって
虫歯になりづらくなる、歯周病の炎症になりづらくなる、
歯質を強化することができる、プラークがつきにくくなるなど様々なメリットがあります。
そして予防を通じてお口の健康を保つことで
いつまでも
・美味しくものを食べることができること
・自然に笑うことができること
・楽しく人と話すことができること
につながります。
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の維持向上のために行動できていることは、とっても価値のあることです。
ぜひご自身の歯を大切にしていただきたいと思います。
人の手が付けられていない歯ほど、問題が起きづらいですし、
人の手が加わっていない歯ほど、美しい歯はないと思っています。
手を付けられていない歯であれば、手をつけないようにすること、
それが予防メインテナンスの大切な意義であると思います。
そのためにも患者様にも歯の健康を守り維持するための
知識・ノウハウを身につけてほしい。
そんな思いを持って、大切な歯の知識をお伝えしたり、
正しいケアの仕方をお伝えしたりしながらメインテナンスを行っています。
歯がなくなることで、肩こりや頭痛など不定愁訴、認知症のリスクが上がるなど身体への健康面の悪影響が出てくることもあります。
歯を残すこと、もしくはしっかり噛めることが、それだけ人の全身の健康において大切なことです。
これからの時代、ますますCure(治療)からかCare(予防)へシフトしていくことを確信しています。
当院の予防プログラムのステップ
当院のメンテナンスステップ(一部)
数か月に一度(1~3か月)ご来院いただき、
当院の予防メインテナンスを受けていただいております。
お口の状態のチェック
歯の表面の染め出しを行い、 白く見落としやすいプラークを可視化させて、 バイオフィルムの付着をチェックします。
歯磨きチェック
自分でしっかり磨いている“つもり“がほとんどです。
磨く技術をつけていただきます
歯の表面や歯石、バイオフィルムの除去
バイオフィルムを専用の機械を使用し
除去(破壊)し、ポリッシングで歯面を
研磨しつるつるにしてセルフケアで維持
しやすくします。また普段磨けていない
ところを除菌します。
仕上げ処置
舌ブラシでのバイオフィルムの除去、殺菌剤でのうがい、
フッ素やハイドロキシアパタイトなどで歯質を強化していきます。
当院の定期検診および予防メンテナンスまでの流れ
初診
初診時に当院の診療システムについてご説明します。一般的な歯科医院とは異なり、まずは患者様の病態を分析するため、診査・診断・検査に時間をかけております。これらの結果は、治療だけではなく、治療が終わった後の予防計画にも役立ちます。
初診時は、病態分析と初期検査を行います。また、痛みがひどいなど、応急処置が必要な場合は、適宜対応いたします。
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問診
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口腔内写真
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レントゲン撮影
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歯周検査
精密検査(必要に応じて)
初期検査後必要性のある場合、精密検査を行います。主に、顎の骨の状態を見たり、お口の中に潜んでいる細菌を特定するなどの検査があります。症状の原因を特定するための検査なので、治療方法を決める際に役立ちます。
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CT
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セファロ分析
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顎機能検査
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細菌検査
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口臭検査
治療
当院では、症状のある箇所だけを治療するのではなく、お口全体のかみ合わせを考え、総合的な治療を行います。保険治療・自費治療とございますが、患者様の症状やご予算に応じて適切な治療法を提案いたします。
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歯周治療
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根の保存治療
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矯正治療
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歯の修復治療
再評価
治療が終わった後、一定の期間をおいて、改善度合いを調べるための検査や、歯肉の状態を確認するための検査など、初診時に行った検査を再度行います。症状が改善していた場合は、お口の健康を保つための今後の予防プログラムについて説明させていただきます。
検査結果に問題なければ、最終的なメンテナンスへ移行する前に、今一度、予防の重要性を理解していただき、患者様がお口の健康を自己管理できるようになるまでサポートいたします。治療前に撮影した口腔内写真と比較し、症状や口内の環境がどのぐらい改善されているかの説明をした後、歯みがき指導でお伝えした正しいブラッシング方法が行われているか等を確認します。
定期検診によるメンテナンス
1~3か月に定期検診によるメンテナンスを行います。メンテナンスの頻度は、再検査の結果や、患者様の予防への意識により変わります。定期検診では、ご自宅でのブラッシングがきちんとできているかの確認や虫歯・歯周病の検査、歯石除去やPMTC、フッ素塗布を行います。定期検診で良好な結果が得られれば、頻度は少なくなっていきます。